1日たった5分のジョギング

1日たった5分のジョギングで、心臓発作のリスクが大幅に軽減する。     米研究結果


「健康のために運動を」と、分かっていつつも時間を言い訳になかなか動き出せない人たちに、かつてない朗報がある。一日わずか5分〜10分程度、超短時間のジョギングにも長距離を走るのと同じだけの効果が期待できると、アメリカの研究で明らかになった。しかも、心血管疾患による死亡リスクを大幅に軽減させるという。

たった5分程度で十分!
自分のペースで走ること


一日に10キロも20キロも走ることを日課にしているランナーや、エクササイズを日課にしている人からしてみたら意外に思うことだろう。先般、アメリカ心臓病学会誌が発表した研究によると、自分に楽なペースで走るジョギングは、5分〜10分程度でさっと切り上げるのがベストだという。しかも、これが長距離を走るランナーと比較しても、健康への効果は同程度。さらには、心臓病による死亡のリスクを大幅に軽減することができると判明したのだ。
調査にあたった研究チームは15年に渡り、のべ55,000人以上のランナーを調査。その結果、まったくジョギングをしていない人々に比べ、死亡率で約30%、平均寿命にして約3年の差が生じた。さらに心臓発作のリスクに限ってみれば、約45%も低い水準であることが判明した。健康のためには、日々の運動が有益なことは言うまでもないが、こと心臓への負担だけに目を向けるならば、距離や走行時間の長さを求めるのは逆効果のよう。

軽いジョギングで
死亡率が6割減!?


心臓へのリスク軽減、死亡率低下を牽引したのは、普段から週に30キロを超えるような、長距離を走り慣れているランナーたちではなかった。朝夕の散歩だったり、体をほぐす程度のジョギングを無理なく行っている人たちだ。距離にすれば3キロにも満たないのに…。彼らの効果は数字でも顕著に表れている。
例えば、前者はまったく走らない人たちに比べて約20%ほどの軽減率なのに対し、後者になると数字は約60%までに跳ね上がる。体に負担をかけすぎない、この“軽いジョギング”こそが、心臓発作や脳卒中のリスク軽減につながる事実に「The Telegraph」は注目。現在、イギリスでは、週に3時間程度の運動を推奨。だが、もっと短時間で効果的な利点を見いだせると紹介している。


大事なことは…

短くても毎日続けること


「運動を続けるうえで障害となるのは、十分な時間が取れないことです。それが今回の結果で、短くても効果を得られるジョギングが、心疾患のリスク軽減にもなるのです。『運動を始めよう』という、大きな動機付けになるのでは?」
今回の研究を指揮した、アイオワ州立大学のDuck-chul Lee博士の言葉を紹介する「Prevention」。曰く、たとえ短い時間であっても、毎日続ける運動が健康への何よりの薬となるそう。とくに誰でも簡単に始められるものとして、推薦するのがジョギングだ。心血管疾患のリスクを軽減するばかりか、血圧を安定させ、血糖値のバランスを向上するのにも効果が期待できるようだ。