1500mのタイムを縮めるためのおすすめの練習メニュー

ジョグ

中距離種目の1500mは、有酸素運動能力と無酸素運動能力、つまりスタミナとスピード両方が重要。

その内の一つである、スタミナ(有酸素運動能力)を鍛えるのに効果的な練習がジョグ。
ジョグは中長距離選手の基本練習。
ジョグは長い時間走り続けるだけのスタミナのある脚力を鍛える、心肺機能を鍛える、毛細血管を発達させ血流量を増加させる、脂肪を燃焼するといった効果が期待出来ます。

また、ジョグは強度の高い練習、インターバルトレーニングやレペティショントレーニング、ペース走といった練習を行った翌日にリカバリー目的で実施される場合も多いです。そのため、強度の高いポイント練習の翌日にジョグを取り入れると良いでしょう。

1500m選手の場合、時間は40~50分ぐらいがおすすめ。

5000mと1500mを兼ねる選手の場合は60分ジョグでも良いですし、800mと1500mの中距離選手ならジョグは40分程度で十分です。

ジョグのペースはレベルによって異なりますが、一般的には4:00~4:30/kmぐらいが目安。疲労を抜くことを目的にするなら、もう少しゆっくり目の4:30~5:00/kmを目安にすると良いでしょう。

ペース走

1500mのタイム向上のために、持久力向上におすすめしたいのがペース走。
中距離種目の1500m選手も長距離選手同様に持久力を磨くことは重要。その持久力を効果的に向上させるためにおすすめしたいのがLT値を意識したペース走です。
LT値とは、運動中に運動強度を徐々に上げていく中で、血中乳酸濃度が急上昇するポイントのこと。ランニング中、徐々にペースを上げていくと、それ以上ペースを上げることが難しいポイントがやってきます。
または同じペースで走っていても、ペースを維持出来なくなりガクッとペースが落ちてしまうポイントがあります。まさにそれがLT値です。このLT値は速い選手ほど優れており、他の選手よりもLT値がやってくるポイントが遅く、より速いペースで走ることが出来ます。
そのLT値を向上させることは、1500mを始め中長距離種目の選手にとってとても重要。ペース走は数あるトレーニングの中でも、LT値の向上に効果的な練習です。

LT値を向上させるためには、乳酸が急上昇するLT値付近のペースで走ることが大切。LT値付近のペースで走るトレーニングを積むことによって、LT値が徐々に向上し、同じペースでも楽に走れるようになります。LT値付近のペースは、心拍数で考えると最大心拍数の80-85%のゾーン。

心拍計付きのランニングウォッチがある場合は心拍数を確認しながら走ると良いでしょう。また、体感でLT値ペースを把握することも可能。LT値のペースは、多少きつさを感じつつも最初から最後まで一定ペースで走ることが出来、かつまだペースを上げる余裕があるペースです。
何度かペース走を実施し、自分のLT値のペースを把握しましょう。ペース走の距離は、1500m選手の場合は6000mが適当。

5000mも走る選手なら8000mぐらいが妥当です。

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ビルドアップ走

ペース走同様に、1500mのタイムを縮めるために持久力向上に効果的な練習がビルドアップ走。ビルドアップ走は400m毎或いは1000m毎にペースを上げていく練習です。
ペース走のペースを基準に、最初はゆっくりと入り、中盤で通常のペース走のペースまでペースを上げ、最後はペース走のペースよりも速いペースで走り切ることになります。
ビルドアップ走はペース変化のある練習のため、ペース走よりも実践的な練習となります。通常のレースでは最初から最後まで一定ペースで走ることは稀。ビルドアップ走でトレーニングを積んでおけば、レースでの急激なスピードの変化にも対応出来ます。また、終盤の粘りやレース後半でのペースアップの力を磨くことが出来ます。

1500m選手のビルドアップ走もペース走同様に距離は6000mぐらいが妥当。6000mのペース走を3:30/kmで取り組む選手の場合、1000m毎にペースを上げるなら、「3:40→3:35→3:30→3:25→3:20→3:15」といったようにゆったりめのペースで走り、徐々にペース走のペースへと上げ、最終的にペース走よりも速いペースまで上げるといった走り方をします。

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インターバル

1500mのタイムを縮めるために、スタミナとともにスピード練習が必須。1500mのスピード練習としてはインターバル走が定番。
インターバル走は1500mを走る選手にとって重要な能力、乳酸の除去能力を効果的に鍛えることが出来る練習。

速いペースで走る1500mでは、糖を利用してエネルギーを生み出す際にたくさんの乳酸が発生します。
乳酸の除去する量が、乳酸が産生する量を下回ると、ペースがガクッと落ちてしまいます。
インターバル走で乳酸を除去する能力を向上させると、普段よりも速いペースで走ることが出来たり、同じペースでもペースが落ちてしまうのを遅らせることが出来ます。また、中長距離選手の重要指標の一つ、最大酸素摂取量(VO2max)を向上させるのにもインターバル走が効果的。

200x10本(r100m)

   4:00 4:10 4:20 4:30  4:40  4:50  5:00


設定
32  33  35 36 37    39  40

1500mの基本となるインターバル走が200mx10本。200mインターバルはスピード強化に最適な練習。急走期の距離が短く、走るペースも必然的に速くなるため、スピードを磨いて1500mのタイムを縮めるのに効果的。5000mのタイムに比べて1500mのタイムが伸びない人は200mインターバルを積極的に取り入れましょう。

300x7本(r150m)

4:00 4:10 4:20 4:30 4:40 4:50 5:00

 設定
 48  50 52  54  56  58  60

200mインターバル以外に300mインターバルも1500mの練習として定番。300mは200mよりも距離が長くなるため、速いスピードを長く持続させるスピード持久力を磨くのに効果的。

400x5本(r200m)

4:00 4:10 4:20 4:30 4:40   4:50  5:00

 設定
 64 67 70 72  75  77 80
1500mのインターバル走の中では比較的長い距離に該当する400mインターバルは300mインターバル同様にスピード持久力の強化に効果的。

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レペティション

インターバル走の場合、休息はジョグで繋ぐことになりますが、レペティションの場合は休息は完全休養を取ります。
インターバル走は上がった心拍数を落ち着かせてから2本目を走り出しますが、1本目の疲れはある程度残ったまま。
一方、レペティションは10~20分ほどの完全休養を取るため、2本目は1本目の疲れを完全に取った状態で走ります。
そのため、1本1本をレースペースよりも速いペースで走ることが出来、絶対的なスピードの底上げに効果的です。
また、ほぼ全力で走るため、乳酸もたくさん発生し、乳酸を処理する能力を磨くことが出来ます。

インターバル走同様に、レペティションもスピード強化の練習として積極的に練習メニューとして取り入れましょう。

300x5本(r10min)

300mの絶対的なスピードを底上げすることで、1500mのタイムを効果的に底上げすることが出来ます。

休息はしっかり体を休め、1本1本を大切に走りましょう。

400x5本(r10min)

300mのレペティション同様に400mも重要な練習。300mばかりを実施するよりも400mと距離に変化をもたせることで、よりレペティショントレーニングの効果が高まります。

1000x3本(r15min)

1500mは1000mのタイムを縮めることも重要。1000mのスピードを上げることが出来れば、1500mのレースでも以前よりも1000mを楽に走ることが出来、1500mのタイムを短縮させることが出来ます。
1000mのレペティションをする場合は300mや400mよりも休息時間を長く取り、1本1本の質が落ちないようにしましょう。

1000+600+400(r15min)

より実践的な練習として、変化を取り入れたレペティションもおすすめ。最初の1000は1500mを走る時の前半の1000mを意識し、600と400は1500mのラスト600mとラスト400mを意識して走りましょう。
この練習によって、1500mのラストの強さを鍛えることが出来ます。
ラストスパートを強化したい場合や、後半の失速が気になる人はこの変化を取り入れた練習を取り入れてみましょう。