次の大会は800m出場選手が多いので…。

 800m究極の走りー1
 

 800mは中途半端な種目~そこに攻略の難しさがある~

800Mはトラック2周で最後の直線で勝負が決まってしまいます。
最後の直線勝負になるとどうしてもスプリント力(スピード)のある
選手が有利になります。

   持久力があり更にスプリント力に勝る選手であれば申し分ありません。
つまり、スピード持久力に勝る選手に向いた種目です。
 
   短距離から見れば瞬発力で劣る選手が400mから更に800mまで
距離を伸ばすケースと長距離ランナーだけど持久力に不安があるが
スピードはある。そう云うランナーがたどり着く先が800mだと言う
見方もできます。要は中途半端な種目な訳です。

日本人にはどちらかと言うと不向きな種目ではないでしょうか?
実際世界レベルから見ると大きく取り残されていますし今一つ
盛り上がりに欠ける種目になりつつあります。
800mと1500mが中距離種目として分類されますが、両種目の

   スペシャリストとなると難しい面も出てきます。800mの攻略の方が
難しい為です。
     
 
分はどのタイプ

    
自分はスプリントタイプか、持久力タイプか。自分の特徴をまず
理解する事が重要です。
持久力タイプの人がラスト勝負に賭けてもそう簡単には勝てません。
持久力タイプの人は、よどみないペースでスプリントタイプの人の
エネルギーを消耗させ、ラスト勝負に持ち込ませない様にレースを
組み立てる努力が必要ですし、スプリントタイプの人はスローペース
に持ち込み自分のスプリント力が発揮出来る展開に持ち込みます。
自分を知ることから勝つ為の戦略が生まれます。
    
 
好位を走るとは

       
800mのスタート地点はコーナーを走ります。コーナーを廻りきって
バックストレッチの直線で位置取り合戦が始まります。理想的な位置
取り(好位)を確保する為です。ここで云う好位とは2・3番手のポジション
を指します。理想的にはそのポジションでレースを進めれば良いのですが、
みんながその位置を目指しますので時には激しい身体のぶつかり合いも
生じてしまいます。 陸上競技の格闘技たる由縁です。


   中学生や高校生のレースでは前を前をの意識が強すぎて大きく外側に
膨れた位置(2.3コース)を走る選手を見かけますがそう云う選手は
コースロス(無駄なエネルギーを消耗してしまう事)が大きく最後の勝負所
では置いて行かれるのが実情です。
終始好位を走る必要はありません。勝負所で好位に居ればよいのです。
勝負所での好位とは相手がスパートした時に何時でも付いていける位置
取りの事です。

   セパレートコースを走ってる時に自分の位置取りはある程度わかる(予測
できる)はずです。無理した位置取りは必ず最後にお返しがきます。
中距離にはある程度先を読む能力と冷静にレースを分析し、それを実行
できる能力が必要になります。
 

理想的なペース配分
     
 
  800mのレースにおける400mの通過ラップはどれくらいが理想で
しょうか、私の考えでは400mのベストタイム+4~5秒が理想的なラップ
と考えます。つまり400mのベストが60秒の選手であれば64秒~65秒
です。後半をイーブンで来れたら理想的ですが、一般的な高校生の場合
で+2秒、中学生の場合には+4秒程度ではと思います。

   つまり最初の400mを64~65秒、次ぎの400mを68~69秒、
合計タイムで2分12秒~2分15秒位では走れるようになるはずです

 このペースで走るためには800mを意識した専門的な練習が必要になり
ます。
            
 コーナーを有効に活用する



    800mは4つの直線と4つのコーナーを走ります。コーナーの走り方が重要な
ファクターを占めます。
レースではその場面・場面でスピードの変化が生じます。スタート時の加速も
その一つです。スピードを出すと多くの酸素を消耗し身体も急激に疲れます。
どこかで酸素を摂り入れる場面が必要になってきます。酸素摂取能力の高い
人は能力の器も大きい為、取り入れる量も短時間で済みます。この酸素を
取り入れて次ぎの場面に対応できる準備(溜/ため)を作る場がコーナーです。
ですからコーナーはリラックスして流し感覚で走る意識が必要になります。
コーナーで膨らんで大きくコースロスを発生させるランナーには溜を作る場が
取れません。後半に力尽きる事が容易に推測できる由縁です。