駅伝のためのトレーニング法

駅伝のための各種トレーニング法
 
1・持久走
  長時間連続して走り続けるトレーニング法が持久走であり、駅伝・マラソンのトレーニングとしては最も基本的なものです。
     このトレーニングで、効率良く長続きさせる 動きを身に付けます。持久走には以下の3つがあります。
 
(1)   時間走
  時間走は時間を決めて同じスピードで走り続けます。走る時間は、15分から120分程度とします。
 
(2)   距離走
  距離走は、一定の距離を決めて走る持久走で、距離がわかる場所(トラック・外周・多摩湖遊歩道など)で行います。
     この距離走は時間と距離から分速が計算できのでトレーニング強度や月間や年間の走行距離がわかるので、
     レーニング量の目安とすることができます。ペースは自由でかまいませんが、距離は3キロから10キロの間がよいと思います。
 
(3)   LSD(Long Slow Distance)
  LSDは、「長い距離をゆっくり走る」ことを言います。このトレーニングは走るペースより、長い距離を走ることを目的としているので、
    できる限りゆっくり走ってください。目安はキロ6~7分です。だんだんペースが上がってくるので気をつけてください。
    時間は2~3時間走ってください。スタミナづくりやフォームの確認、気分転換などしたいときに最適です。
 
2・インターバル・トレーニン
  インターバル・トレーニングは、急走期(一定の距離を一定のスピードで走る)と緩走期(ジョッグやウォーキングでつなぐ動的な休息期)を
    交互に繰り替えして行い、持久力・スピード・筋力を鍛えられます。このトレーニングには、スピードを養成するショート・インターバルと
    スタミナを養成するロング・インターバルに分かれます。インターバル・トレーニングは原則、距離のわかるトラックで行います。
 
(1)   ショート・インターバル
  スピードを強化したいときにこのトレーニングを行います。急走期の距離は200Mから600Mぐらいで、走るスピードは、
    その距離における個人のベストタイムを基準に設定するのが適当です。緩走期の距離は急走期と同じで、
    緩走期をゆっくり走っている間に呼吸などをしっかり整えるようにして急走期に備えてください。
    走る回数は距離にもよりますが5回から12回程度です。
 
(2)  ロング・インターバル
  スタミナを強化したいときに行います。急走期の距離は1000Mから3000Mぐらいで、走るスピードは実際の大会を目安にします。
    (1000Mなら3分30秒から4分15秒、1500Mなら5分から6分、3000Mなら10分30秒から11分30秒)
    ショート・インターバルと同様に緩走期の距離は急走期と同じで、緩走期をゆっくり走っている間に呼吸などをしっかり整えるようにして
    急走期に備えてください。ロング・インターバルは、それぞれの距離に対するペース感覚を養うためにも効果的です。
    走る回数は2回から7回程度です。
 
3・ファルトレック(スピード・プレイ)
  ファルトレックはアップダウンがある野外の美しい自然環境の中で、そのアップダウンを利用して行うトレーニングです。
    長距離走のトレーニングは時間が長く非常に苦痛が伴いますが、ファルトレックはトレーニング場所を自然の中に求めることで、
    周りの景色や地形の変化などによって気分転換を図ることができ、楽しくかつ無理をしないトレーニングができ、
    アップダウンのあるコースなので負荷をかけることができます。
 
    具体的なファルトレックの練習法
     5~10分間、気楽にジョッグをする。(ウォーミングアップ)
     かなり速いペース(一定)で1~2キロ走る。(持久力の向上)
     すばやく5分間歩く。(動的な休息)
     50~60Mの全力疾走を時々入れるようにして、多少疲労を感じるまで走る。
                (スパートの練習・持久力の向上)
 
     全力で坂を登って150~200M走る。(脚のパワーの鍛錬)
     60秒間、速いペースで走る。
     5~6分ジョッグする。(クーリングダウン)
体調によって、もっと休息を入れたり、走る距離を長くしたりしてトレーニングを行ってください。
このアップダウンのあるコースとして多摩湖遊歩道が挙げられます。
 
4・ストレッチング
  
ストレッチングは、筋肉を伸張し、柔軟性を向上させ、傷害を予防する運動です。比較的マラソンランナーは柔軟性が悪いと言われており、
    長時間のランニングは、とくに脚の筋肉を堅くします。そのため練習の前後にストレッチをしてください。
 
     ストレッチの効果
     筋肉の緊張を取り除き、リラックスさせる。
     神経と筋の協調を円滑にさせる。
     間接の可動範囲(柔軟性)を改善する。
     傷害を予防する。
     筋肉の血液循環をさかんにする。
     筋肉に対する感覚を向上させ、主運動への移行をスムーズにする。
 
    ストレッチのポイント
ストレッチを行う際には次の点に気をつけてください。いい加減にストレッチを行うとかえって傷害の原因となることがあります。
誤ったストレッチの代表例が体育の時間などで、前屈する人を後ろから無理やり押して筋肉の断裂を起こしてしまうことです。
ポイントは次の点です。
 
     リラックスして行う。
     反動をつけずにゆっくり筋肉を伸ばす。
     ストレッチする筋肉に意識を集中する。
     ストレッチをしているときは、普通に呼吸をする。決して呼吸を止めないこと。
     筋や腱に緊張を感じるが、強い痛みを感じないストレッチを15秒から60秒行う。
 
● ストレッチというといつも適当になりがちですが、走る前と後でストレッチの内容を変え効果的な体操を心がけてください。