東京五輪へマラソン強化策、

半ハーフを速く走る「ネガティブスプリット」



 
世界陸上(8月・ロンドン)代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソン(29日)の会見が27日、大阪市内で行われた。最近の日本人選手が世界の主流であるレース後半勝負に取り残されている現状から、日本陸連は3年後の東京五輪への強化策として今回、ペースメーカーが走るタイムを従来より1分近く遅いハーフ1時間12分台に設定。前半よりも後半ハーフを速く走る「ネガティブスプリット」の方針の下、世界との勝負にこだわっていく。

 新たな試みに、選手たちも前向きだ。招待選手で特に気合十分なのが、昨夏リオ五輪でレース2週間前に右足を疲労骨折する不運もあって46位の伊藤舞(32)=大塚製薬=。昨年12月に徳之島で走り込み「目標は勝つこと。後半しっかり上げていきたい」と意気込む。

 12年大会優勝のロンドン五輪代表・重友梨佐(29)=天満屋=も「新しい挑戦でどうなるか楽しみ。(五輪79位の)ロンドンにリベンジしに行けたらいい」とレースを待ち望む。前回大会で後半に追い上げて2位の堀江美里(29)は=ノーリツ=は「余力でどんな勝負ができるのか。そこから面白さが出てくる」と自信。

 日本人最上位で派遣設定記録(2時間22分30秒)をクリアすれば“世陸切符”獲得だが、ゴールタイムが低調なら、出場枠3を使い切らない案が陸連で再燃する可能性もある。今夏ロンドンそして20年東京へ、中間地点でペースメーカーが消えた後半、本当の戦いが始まる。