10月30日(日)に第34回全日本大学女子駅伝対校選手権大会宮城県仙台市で行われた。昨年は11位に終わった京産大。今年はシード権奪還を目標に掲げた。1区の橋本が1位で中継して流れを作ると2区以降も盤石のタスキリレーを見せ4位でフィニッシュ。2年ぶりにシード権を獲得した。
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                手のひらを「4」にしてゴールした今川

 秋晴れの下でスタートした1区には伊東輝雄監督が「自信がある」と太鼓判を押す全日本インカレ覇者の橋本奈津(1年)が起用された。各校のエースランナーが集う中でスタートから前に飛び出した。「調子は良かった」と先頭集団でレースを進めていく。ラスト1㌔で集団のペースが上がるが冷静に対応。残り500mを切ったあたりでは橋本が全日本インカレで見せたような鮮やかなロングスパートで後続を引き離し、トップで中継した。橋本の記録は20分27秒で区間記録に5秒まで迫る快走だった。また、京産大勢としては1区で21年ぶりの区間賞を獲得した。
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        世界大会出場者もいる中で区間賞を獲得した橋本

 2区の薮田裕衣(3年)は全日本インカレ3000m障害で3位に入るなど活躍目覚ましい。「奈津がいい流れを作ってくれた」と意気込んで走り出す。3㌔過ぎに名城大に首位を明け渡す。その後は「前が見える差なら穂乃果が追ってくれる」となんとか粘って4位に踏みとどまった。昨年も同区間を走っており、記録を10秒ほど短縮し、成長を見せた。
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薮田は3㌔過ぎに抜かれたが4位に踏みとどまって見せた

 棚池穂乃果(2年)は先頭の名城大と19秒差、3位の松山大と5秒差で走り出した。11秒後ろには大会5連覇中の女王立命大が位置していた。昨年よりも緊張感もなくリラックスは出来ていた。ひたすら前を追っていき、福岡大を抜き3位に順位を押し上げた。夏場は20~30㌔の距離走を何度もこなし、脚力を養ってきた。「夏の成果が出たかな」と振り返った。タイムは22分36秒で昨年の自身のタイムを5秒更新してみせた。
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   再び順位を3位に押し上げた棚池

 駅伝デビューとなった信岡桃英(1年)が任されたのは4区。伊東監督は当日の朝まで起用するか悩んでいたが、朝練習の様子を見て大丈夫だと確信した。普段は自ら積極的なレースを展開する選手ではないが、伊東監督の積極的に走れというアドバイスを受け、前半から好ラップを刻んだ。後ろから迫る立命大には追い抜かれたが、2秒後ろから迫ってきた大院大を振り切る走り。タイムも16分06秒で区間3位と上々の駅伝デビューを果たした。
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信岡は区間3位の好走で前のチームとの差を最小限にとどめた

 最長区間の5区を任された主将の佐藤季実子(4年)。走り出して5㌔手前で大院大にかわされる。その後は踏みとどまり3位の名城大との差を詰めて5位でアンカーの今川綾菜(3年)へつないだ。
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           最後の杜の都を駆け抜けた佐藤

 4位の大院大と25秒差、6位の大東大と20秒差という絶妙な位置で走り出した今川。故障の期間が半年間ほどあったが、9月の関西女子駅伝(今川は2区区間賞)あたりからこの駅伝を走るのを楽しみにしていたという。2.7㌔地点で大東大に追いつかれたが、伊東監督に指示されたとおりにしっかりと後ろに付いた。競り合って走っていくうちに前の大院大に追いつき追い抜き4位争いに浮上。ラスト1㌔を切ったあたりで大東大を引き離しにかかり、5秒差をつけて4位でフィニッシュした。ゴールの直後、今川のもとにチームメイトが集まり、喜びを爆発させた。
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今川のもとにチームメイトが集まる

 今回のレースに関して伊東監督は「理想のレース展開が出来た」と満足顔。しかし、来年の事に関しては「今年のメンバーが5残るが来年も順調に行けるほど甘いものではない」と一言。昨年の優勝メンバー全員を擁しながら2位に敗れた立命大の姿が勝負の厳しさを実感させた。選手たちの口からは「うれしい」という言葉が出てきた。前半で流れを作り、後半に粘る最高のレース運びでシードを獲得したのだから喜びも格別だろう。主務の久保雅美(4年)は「いままでで一番いい練習が出来ていたし、チームワークもいい。何よりみんなからシード権を取るという強い気持ちがあった」と勝因を挙げた。「シード権を取れたことは今回走ったメンバーだけでなくチーム全員のおかげ。いつも私を慕ってくれて本当にかわいい後輩たちに恵まれた」と感謝の気持ちを表していた。
 
次は12月30日に静岡県で行われる富士山女子駅伝。今回の駅伝より1区間増え、選手層が重要になってくるが「今回走らなかった1年生以外にも使いたい選手がいる」と伊東監督は次戦に向けて意欲を出していた。3年生の清水穂高、関真衣子が復調すれば選手層に更に厚みが増すだろう。今回の勢いに乗り、富士山ではどのような走りをするか今から楽しみだ。
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記録
1区(6.4㌔)橋本奈津 区間1位 20分27秒 通過1位 20分27秒
2区(5.8㌔)薮田裕衣 区間7位 18分41秒 通過4位 39分08秒
3区(6.8㌔)棚池穂乃果 区間4位 22分36秒 通過3位 1時間01分44秒
4区(4.8㌔)信岡桃英 区間3位 16分06秒 通過4位 1時間17分50秒
5区(9.2㌔)佐藤季実子 区間11位 30分44秒 通過5位 1時間48分34秒
6区(5.2㌔)今川綾菜 区間6位 17分33秒 総合4位 2時間06秒07秒



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