天皇賜杯第85回日本学生陸上競技対校選手権大会
《陸上競技部》橋本奈津 全国制覇!!他
- 9月2日~4日に天皇賜杯第85回日本学生陸上競技対校選手権大会が埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた。京産大はメダル2、入賞1の活躍を見せた。
【女子1500m】
- 大会初日に行われた女子1500m。6月の全日本学生個人選手権女王の橋本奈津(1)が出場した。予選のレーススタイルはいつもと同じく後方に位置して、徐々に順位を上げていくパターン。ラスト200mで順位を大きく上げて、余裕を持って3着でゴール。危うげなく決勝進出を決めた。
表彰台狙いで迎えた決勝。序盤から先頭選手の後ろにピッタリと付くと普段より早いラスト600mでロングスパート。後ろから迫ってくる昨年のIHチャンピオン・向井や今大会800m覇者の卜部らを抑えて今季2度目の全国制覇を成し遂げた。決勝もラスト200mで前に出るプランだったが、伊東監督の「800mと兼ねている選手にはラスト勝負で負ける。だから(ラスト)600mで仕掛けろ」というアドバイスが功を奏した。不安も多少はあったようだが「1年生らしく思い切り行こう」という度胸で乗り切った。今回のレースに関しては伊東監督も「100点に近いレース」と評価した。
橋本は今後の目標を「駅伝でチームの力になりたい」と答えた。駅伝初戦はおよそ2週間後に控える関西女子駅伝。昨年の都大路でごぼう抜きした実力を大学の舞台でもいかんなく発揮することだろう。
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【女子3000mSC】
2日目に行われた予選にはこの種目関西学生記録保持者の藪田裕衣(3)と2回目のレースとなる信岡桃英(1)が出場した。1組目に出場した信岡。序盤は先頭集団につくも徐々に遅れを取り始める。なんとか粘りを見せて8着、11分を切ってレースを終えた。続く藪田は2周目に入るころにはほぼ独走状態に。後続を引き離して余裕で1着。決勝へ進出した。
翌日に行われた決勝ではリオ五輪代表の高見澤が飛び出す展開に。藪田はそれを冷静にマークした。1000mの通過は3分13とハイペース。しかし前を追うことに集中していたためタイムの情報は耳に入ってこなかったという。2000m過ぎまでは先頭争いをくり広げていたが徐々に差が開いたが、大崩れせずに3位でゴール。大会新記録、関西学生新記録で自身初の全国表彰台に上った。1年目は棄権、2年目は予選落ち、そして今年は表彰台と着実にステップアップを重ねている藪田。来年は優勝を狙うと堂々と宣言した。
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【男子ハンマー投】
京産大のお家芸ともなりつつある男子ハンマー投。金原裕太(4)、久家辰也(3)、岩谷勇希(3)の3選手が出場した。予選通過記録は62m00。この記録を越える、もしくは上位12人に入れば決勝進出となる。1投目に金原が60m50、久家が57m62、岩谷が58m38をマークした。2投目に記録を伸ばしたのは久家のみで金原、岩谷は記録を伸ばすことが出来ない。3投目には金原が61m89まで記録を伸ばし、11位に滑り込む。久家も60m70に記録を伸ばしたが、わずかに及ばず14位、岩谷は1投目の記録ベストとなり、19位で決勝に進むことは出来なかった。
金原は翌日に行われた決勝の1投目で60m76で5位につける。その後も少しずつ記録を伸ばし最終6投目に今大会ベストとなる62m71を投げ5位で試技を終えた。「調子が悪いながらもまとめることが出来た。最後のインカレで入賞できて後悔はない」と充実した表情を見せた。
全日本の舞台に選手を3人送り込むのは並大抵のことではない。このことに関して投擲陣を指導する卯野監督は「やるべきことをしっかりやっているだけ。特別なことはしていない」と語ってくれた。ここ数年、ハンマー投での連続入賞が続いている京産大。「この伝統を続けていってほしい」と卯野監督はこれからの選手たちに期待を寄せていた。
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【男子200m】
京産大4継チームでエース区である2走を1年生の時から務める林田隼大。今回の200mが全日本インカレで初めての個人出場となった。全参加選手中最下位の記録21秒35で乗り込んだ予選で林田は驚きのレースを見せた。4レーンの林田はコーナートップで5レーンの選手を置き去りに。「調子に乗れた」とグングンと加速する。20秒台の自己記録を持つ選手を抑え、リオ五輪代表の桐生に次ぐ2着でゴール。記録も21秒21で大舞台で自己ベストを更新して見せた。準決勝では本人が苦手と語る9レーン。コーナー出口までは先頭争いを演じていたが、直線に入り少しずつ差が開いていく。その後は巻き返しに及ばず21秒48の4着でゴール。決勝進出までわずかに0秒18だった。今回は準決勝落ちに終わったが、「トップとの差は少しずつ縮まってきている。練習で追い込んだ成果が出た」と成長を実感していた。
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【男子10000m】
またしてもこの男が大舞台で存在感を示した。男子長距離パートの主将寺西雅俊(4)は積極的な走りが持ち味だ。2000m過ぎに留学生が飛び出すと、すぐさま反応しペースを上げた。留学生についていく日本人選手は寺西の他には関東の2選手。3000m過ぎに1人脱落。日本人トップに立った。その後もペースは衰えることなく、一時は留学生の前に立つ場面も見られた。しかし、6000m過ぎに後続の日本人集団に吸収されてしまい11位でゴールした。強力な関東勢を差し置いて日本人トップを走る場面があったにも関わらず本人は「全然だめ」と納得のいかない表情。途中で無理にペースを上げたことがたたったと振り返った。今回は合宿の流れで挑んだという寺西。その状態でも自分より持ちタイムの良い選手より先着してみせたことを考えれば実力は関東勢にも引けを取らないということだ。1カ月後に控える出雲駅伝。関東勢を打ち崩し、10位を目標としている。
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【男子4×100mR】
今季39秒台を目標にやってきた4継。関西インカレ、西日本インカレで3走を務めた大鹿佑志郎(2)に代わり、好調の西野隼人(2)が入った。いつも通り仲島諒(4)から林田隼大(3)への慣れ親しんだバトンパス。林田から西野へのバトンが若干つまり気味になるもトップ集団でアンカーの内記拓哉(4)へ。ラスト50mでトップ争いから離されたが、40秒23のシーズンベストをマーク。同時に日本選手権リレーの参加標準記録も突破した。今回は急造チームと4人が口をそろえ、バトン練習もほとんど積んでいない状態だったという。その中でもベストを出したのだから、各々の走力がアップしたのだろう。内記は「下積みの時代が多くメンバーになれない事が多かったが、最後に結果を残せた」と4年間を振り返った。まだ39秒台を出すチャンスは残されている。次は走力に加えてバトン技術をアップさせ目標達成といきたい。
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右から走順 仲島、林田、西野、内記
【男子4×400mR】
男子マイルの目標は3分07秒台で決勝に残ることだった。京産大は5組目に組み込まれ早大、日大をはじめとする強豪と同じチームになった。1走の高井貴一(4)が3番手で帰ってくる。2走の杉山陽一(3)、続く蘆田京平(3)は関東勢との力の差を見せつけられ、後方に下がってしまう。アンカーの足立泰樹(3)が前を追ったがその背中は遠く5着でフィニッシュとなった。決勝進出とはならなかったが、実力は出し切ったと語る4人。足立は「このチームの形を作ってくれたのは(高井)貴一さん」とここまでチームを引っ張ってきた先輩に対して感謝をしていた。「西日本インカレで3分07秒台が見えてきた」と語った金子暁コーチ。今回のメンバーで抜けるのは高井1人で来年に大きな期待が持てる。バトンと共に全カレ決勝という目標は後輩たちに託された。
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前列が高井 後列左から足立、蘆田、杉山
結果
男子200m
予選3組2着 林田隼大(3) 21秒21
準決勝2組4着 林田隼大(3) 21秒41
男子400m
予選3組6着 高井貴一(4) 47秒77
男子10000m
決勝11位 寺西雅俊(4) 30分06秒01
男子110mH
予選5組8着 萩尾達也(2) 14秒72
男子4×100mR
予選5組4着 仲島-林田-西野-内記 40秒23
男子4×400mR
予選5組5着 高井-杉山-蘆田-足立 3分10秒52
男子ハンマー投
予選11位 金原裕太(4) 61m89
予選14位 久家辰也(3) 60m70
予選19位 岩谷勇希(3) 58m38
決勝5位 金原裕太(4) 62m71
女子1500m
予選3組3着 橋本奈津(1) 4分23秒85
決勝1位 橋本奈津(1) 4分20秒11
女子5000m
決勝15位 棚池穂乃香(2) 16分33秒59
女子10000m
決勝12位 清水穂高(3) 34分32秒81
女子3000mSC
予選1組8着 信岡桃英(1) 10分51秒57
予選2組1着 藪田裕衣(3) 10分28秒73
決勝3位 藪田裕衣(3) 10分00秒65