24日から陸上日本選手権
桐生、日本一と五輪狙う
リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権が24~26日、名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われる。最大の注目は男子100メートル。リオ五輪参加標準記録10秒16を突破した選手が4人という大激戦だ。初の五輪出場を狙う桐生祥秀(東洋大、洛南高出)=彦根市出身=は、11日に約3年ぶりとなる10秒01をマークして派遣設定記録に到達し、代表争いで大きくリードした。「今季の目標の一つ」と見据えてきた大一番だ。
桐生が10秒01を出したのは11日の日本学生個人選手権(神奈川県平塚市)の準決勝。追い風1・8メートルの好条件で結果を残した。冬から改善してきたスタートが試合を重ねるたびに安定し、この日のスタートの反応時間は予選から3レースでいずれも0秒132前後を計測。中盤の走りもスムーズで、春以降、走りの内容が着実に向上している。
桐生を指導する東洋大の土江コーチは、日本選手権のポイントを「他の選手が視界の中に入った時、自分の力を出せるかどうか」と話す。最大のライバルは10秒06の自己記録を持つ山県亮太(セイコーホールディングス)。広島修道高出身の24歳で、慶大時代に出場したロンドン五輪の予選で10秒07を出した。腰痛などに苦しんだ後、今季に復活。「桐生君には負けられない」と闘志を燃やす。
今季、桐生は山県に1勝2敗。今月5日の布勢スプリント(鳥取市)の第2レースでは桐生が得意の形で加速しながら、終盤で山県に抜かれた。他にも5月に10秒10をマークしたケンブリッジ飛鳥(ドーム)、10秒09の高瀬慧(富士通)らがひしめく。
五輪出場が懸かる日本選手権で、日本勢初の9秒台への期待が高まってきた。だが桐生は「9秒台を出しても勝たないと意味がない」と勝負へのこだわりを何度も口にしている。24日の予選、準決勝に続き、決勝は25日に行われる。名実ともに日本のトップスプリンターであることを証明する時が来た。
■女子5000、1万・西原と男子400障・小西ら代表目指す
日本選手権には、桐生のほかにも、リオ五輪を目指す京滋の有力選手が多数出場する。昨夏の世界選手権女子1万メートル代表の西原加純(ヤマダ電機、宮津高―佛大出=写真上)は5000メートルと1万メートルで初の五輪代表を狙う。
男子走り高跳びの平松祐司(筑波大、西城陽高出)はけがで欠場する。五輪代表勢では北京五輪女子3000メートル障害の早狩実紀(京都光華AC、南八幡高―同大出)や、ロンドン五輪女子棒高跳びの我孫子智美(滋賀レイクスターズ、光泉高―同大出)らが出場する。
2020年東京五輪での活躍が期待される大学生も、エントリーした。
今年の日本選手権女子七種競技を日本歴代2位となる5882点で制したヘンプヒル恵(中大、京都文教高出)は女子100メートル障害と同走り幅跳びに、1月の箱根駅伝を連覇した青学大の長距離エース一色恭志(京都府与謝野町出身)は男子5000メートルに、木村友大(九州共立大、乙訓高出)は男子ハンマー投げに出場。