「結婚式直前に別れた女性。

「親友からのアドバイス」が心に響く・・・」

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◆こと恋愛相談においては、異性の友達のほうが的を得たアドバイスをくれることもあります。同情のない、鋭い意見をーー。

「Elite Daily」のこの記事は、シンガポール在住の男性Keay Nigel氏が、結婚式を目前に控えながらも別れを決意した女友達に送ったアドバイス

親友だからこその手厳しい内容に、性別を超えた本物の友情が垣間見えます。◆



・突然受けた別れの報告…


最近、仲のいい女友達から「6年間付き合っていたフィアンセと別れることにした」と電話がかかってきた。彼らは去年婚約したばかり。

家を買う計画まで立てていたはずなのに、まさに寝耳に水。すべてが上手くいってるように思えただけに、予想だにしない彼女の告白には、ただ驚くしかなかった。

彼女がそのフィアンセと出会ったのは大学1年のとき。人生で初めてのボーイフレンドだったらしい。僕を含めて、彼女の友達はみんなが本当に祝福したんだ。2人は大学の4年間ずっと付き合っていて、ヨーロッパへの卒業旅行へも一緒に出かけていた。誰が見てもお似合いのカップルだった。

その後、彼がプロポーズ。もちろん彼女の答えは「イエス」。めでたく婚約。初恋の相手とそのままゴールインだなんて、まるでおとぎ話。2人は順調に歩みを進めていたんだ。

ところが、何かが変わり始めた。彼女は突然、結婚を約束した相手との恋に冷めてしまったらしい。自分の気持ちに整理がついていない様子が電話口からも伝わってきた。一体、何があったんだろう。

困惑の渦の中でもがき苦しんでいるかのような彼女は、僕にこう訊ねてきた。

「いまも本当に恋をしているのか、それともただ安心感だけで一緒にいるのか。どうしたらわかるんだろう?」

事の深刻さを感じ取った僕は即答できなかった。数分の沈黙の後、僕はこう切り出したんだ。

「誰かを求めることと、必要とすることは違うってことだよ」

僕の意図はこう。たとえば、彼女はオシャレなカバンが欲しい。でも、絶対に必要というわけじゃない。どれだけ欲しいかは、モノによってそれぞれ。
「何としてでも手に入れたい」かもしれないし、「できれば欲しい」という程度かも。一方、誰にとっても酸素は必要。誰も「欲しい!」とは考えないけれど、人間にとって不可欠なもの。

もちろん、「欲求」と「必要」が同じになるときもある。もし、あなたが海で溺れたなら、当然酸素を求めるように。
たいてい僕たちは、失って初めてその価値や必要性に気づくことが多い。「欲求」と「必要」がまったく違うこともあるけれど、両者は大抵、似たような性質を持っている。

「じゃあ、愛ってなに?」彼女の質問に僕はこう答えた。

「必要なものが欲しくなり、欲しいものが必要なこと。それが愛なんじゃないかな」

もう少し説明すれば、ほとんどの愛は「欲求」から始まると思っている。恋に落ちるときは、心の底からその人を手に入れたいと願うはず。そして、少しずつ時間の経過とともに相手に慣れていき、その人なしでは生きられないと感じてしまう。
これが「欲求」と「必要」が同じになった瞬間。こうなったとき、初めてそれは「愛」と呼べるものになるのでは?

・「中途半端な愛に落ち着いたら、一生幸せになれないかもしれない」

心も体もその人を求めて、夢中になってしまう。自分の感情も物理的な「欲求」も、すべてが愛する人で満たされることを一心に願う。まるでその人がいなければ生きていけないような状態だ。一方、相手はこの気持ちを感じ取ると、自分を受け入れてくれる相手の存在を知り安心できる。

ある意味、愛は心地よい領域で避難場所にもなる反面、自分も相手も、もしかしたらものすごく傷つく可能性のある、“表裏一体”の概念なのかもしれない。

別れてすぐのときは愛情を求めてしまうもの。心地よい場所から身ひとつで放り出されたら、誰だって安心できる場所が必要だから。友達はもはや、元フィアンセを「ボーイフレンド」や「恋人」としては求めていないが、「まだ好意が残っているから困惑している」と認めた。

だけど、彼女が感じてるその気持ちはもはや、愛じゃない。それを説明したくて僕は言葉を続けた。

「もしヨリを戻したとしても、幸せは長くは続かないはずだよ。そこに愛がないのにキミが彼を必要と感じるのは、彼といるのが心地よかったからさ。つまり、それは哀愁。6年の交際の後で一人になることを思えば、彼とヨリを戻すのは安全な選択だよね。でもこの中途半端な愛に落ち着いちゃったら、キミは一生幸せになれないかもしれない」


彼女は僕が言っていることが正しいと分かっていた。僕も自分が正しいと理解していた。でも、そんな難しいことを彼女に求めるのは、偽善者気取りに他ならない気がしていた。それでも、あえてこう言ったのは僕のアドバイスを受け止めて、自分の人生を切り開いていってほしかったから。

別れが簡単だなんて思う人はいないはず。ましてや結婚まで約束した関係ならなおさらだろう。それでも、結婚式の当日に逃げ出すよりはずっとマシだったんじゃないだろうか。

「愛は決して完全な白黒なんかじゃない。僕だって80%くらいはグレーなんじゃないかと思っている。愛はまるで魔法のように、一瞬にして幸せと喜びを全身に満たしてくれる。
でも、消え行く際もまた一瞬」
「欲情」だって愛の一部だけど、愛は誰かへの欲求だけでは語り尽くせない。儚くて気まぐれ…。誰かが必要だけど、飽くなき欲求がない限り、それはただの哀愁か怠けた依存にすぎないだろう。

彼女も僕の言葉に少し納得がいったようだった。どれだけのエールになるかは分からない。でも、僕は最後にこうアドバイスを送った。

「納得いかないまま自分を受け入れるのはもう止めよう。心地いい場所から抜け出したっていいじゃないか」

哀愁だけにいつまでも浸っているわけにはいかない。

なぜかって? 欲求を失ってしまった愛は、もはや抜け殻のようなものだから。これからの時間は、もっと自分に合う人を探すためのものにしよう。

そうやってまた、自分に相応しい愛を手に入れればいいのだから。