皇后杯第37回全国都道府県対抗女子駅伝

小林祐梨子さんが予想する女子駅伝「5強と見ていたが…」

北京五輪女子5000メートル代表 小林祐梨子さん

 

全国女子駅伝で2区区間記録保持者で、北京五輪女子5000メートル代表の小林祐梨子さんに、レースの展開を予想してもらった。


神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫が「5強」と見ていたが、エントリー変更が相次いだ京都は若干苦しそう。アンカーの力を考えると、愛知と大阪が優勝に近い。「5強」に続くのは千葉、東京、長野、静岡か。入賞争いは大混戦だろう。

 例年以上に興味深いのが主要区間での個人の戦い。1区は長崎・広中や高知・鍋島らトラックの有力選手が勢ぞろいした。この顔ぶれでの勝負は、今後の国内トラック界の勢力図を占うことになる。9区は愛知・鈴木と東京・新谷に注目。ともに驚異的な大逆転を起こす実力がある。1区の区間賞は18分台、9区は30分台に迫るのでは。区間新記録も期待している。

 東京五輪でマラソン出場を目指す選手にとって全国女子駅伝は重要。基礎となるスピードを一年最初のレースでしっかり確認し、マラソンにつなげてほしい。

全国女子駅伝 20府県で選手エントリー変更 けがなどで 



13日に行われる第37回全国女子駅伝で、けがや病気などのため、20府県計25人のエントリー変更が12日、発表された。昨年のアジア大会5000メートルで6位に入った鹿児島の山ノ内みなみ(京セラ)が原田まりん(樟南高)と入れ替わった。京都は片山弓華(ワコール)から村松灯(立命館宇治高)、橋本充央(福知山成美高)から柴田来夢(桂高)への変更があった。



女子駅伝、各区走者発表! 豪華な1区、9区MGC獲得3人



皇后杯第37回全国都道府県対抗女子駅伝日本陸連主催、京都新聞、NHK共催、村田機械協賛)は号砲を明日に控えた12日、47都道府県のオーダーが決まった。MGC出場権獲得者は9区に3人、4区に2人が起用され、1区は各世代のスピードランナーが集まる豪華な顔ぶれとなった。


 最長10キロを走る9区には日本代表経験者が名を連ねた。鈴木(愛知)、前田穂(大阪)、野上(長崎)のMGC出場者をはじめ、ロンドン五輪代表の新谷(東京)の存在感も光る。アジア大会代表の堀(神奈川)や世界選手権ロンドン大会マラソン代表の清田(静岡)も走り、プライドをかけた白熱の勝負が見られそうだ。


 1区は前回区間賞の鍋島(高知)をはじめ、全日本実業団駅伝で2年連続1区区間賞の森田(神奈川)、同2位の荘司(愛知)、同駅伝3区3位の筒井(京都)、アジア大会3000メートル障害代表の石沢(広島)ら実力者ぞろい。大学生も全日本大学駅伝3区1位の高松(大阪)や2区1位の鈴木(秋田)、U20世界選手権3000メートル金メダルの田中(兵庫)、全日本大学選抜駅伝2区区間賞の五島(石川)らが集結。全国高校駅伝1区区間賞の広中(長崎)にも注目が集まる。


 4区はMGC出場者の安藤(静岡)と松田(大阪)が挑む。前回6区区間賞の後藤(兵庫)や全国高校駅伝1区4位の古川(愛知)や同5位の小笠原(山梨)、同駅伝5区4位の小林(長野)ら有力高校生も楽しみ。


 2区は全日本実業団駅伝2区1位の山本(静岡)や同2位の倉岡(鹿児島)、同駅伝6区2位の長谷川(京都)らに勢いがある。全日本大学駅伝1区1位の和田(長野)や同2位の佐藤(神奈川)、全日本大学選抜駅伝3区区間賞の樺沢(群馬)、全国高校駅伝1区2位の藤中(愛知)も力を秘める。


 MGC出場権を獲得し、東京五輪ラソン代表を目指す5人が都大路を走る。それぞれの思惑を胸に、勝負の年の幕開けとなるレースでの力走を誓った。


 9区を走るのは3人。リオデジャネイロ五輪代表の鈴木亜由子(愛知、日本郵政グループ)は昨夏の初マラソンでMGC出場を決めた。全国女子駅伝は10度目の出場。「わくわくしている。前半から突っ込んでみたい」と意欲をのぞかせた。


 前田穂南(大阪、天満屋)は初出場だ。2017年夏に女子一番乗りでMGC出場を決めた。実力急上昇中の22歳は「体調は順調。初めてなので楽しく走りたい」と淡々と語った。


 33歳の野上恵子(長崎、十八銀行)は前回アンカーで長崎の3位に貢献し、昨年8月のジャカルタアジア大会では銀メダル。「今までにない経験をした一年だった。粘り強く最後まで走れたら」とリラックスした表情。


 4区は2人が競い合う。昨年の大阪国際女子を制した松田瑞生(大阪、ダイハツ)は、「MGCを見据え今は休む時期。今の力で最後まで走りたい」と気負わない。安藤友香(静岡、スズキ浜松AC)のマラソン自己ベストの2時間21分36秒は、MGC出場権獲得者の中では最高タイムだ。秋のけがから復調途上で「今の自分で持てる力を発揮すれば今後のレースにつながる」と穏やかな表情だった。