『癌にならない』のはこんな人!!

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『がんの早期発見』より『がん予防』が大事

がん予防といえば「がん検診」を思い浮かべる人が多いでしょう
確かに、がん検診は予防として行われていますが、
正確に言えば、『がんによる早死に』を防ぐことが目的なのです


がんを予防するには、「がんにならない」のがベストですよね?
これを専門用語で『一次予防』といいます
がん検診は、これに次ぐ『二次予防』にあたります
つまり、
「がんになってしまったけれど、早く治療することで、死亡するのを防ごう」というのが、
がん検診の目的なのです



しかし、がん検診も発見率は100%ではありません
「がんを早く発見する」ことに力を入れるよりも、
「がんにならない」ことに一生懸命になった方がよいですよね




国立がん研究センターの調査結果

国立がん研究センターの研究グループがこれまで住民調査などのデータをもとに、
日本人のがんの原因として、どんな要素がどれくらいを占めているかを推計しています
その研究成果に基ずくがん予防法を徹底すれば、
がんになるリスクをかなり下げられる可能性があるのです


国立がん研究センターが作成したパンフレット
「日本人のためのがん予防法(H.27.2)」から抜粋してみましょう

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まず、がんの原因として大きいのが「喫煙」です
特に男性で影響が大きく、
   がん罹患の29.7%  がん死亡の34.4%
女性は     5.0%        6.2%  
が喫煙の影響とよるものと推計されています


つまり、タバコは生涯吸わないこと
これが、がんのリスクを大幅に減らすことが出来るのです



タバコといえば、「肺がん」をイメージする人が多いのではないでしょうか?
しかし、「胃がん」「食道がん」「膵がん」「子宮頸がん」のリスクを上げることも、
『確実』と判定されています
「肝がん」も『ほぼ確実』で、「大腸がん(直腸がん)」「乳がん」も『可能性あり』です
つまり、喫煙は肺がんだけでなく、「全がん」リスクを高めてしまうのです


加えて、『受動喫煙』も危険ですよね
特に女性は、パートナーからの影響が無視できず、
    がん罹患の1.2%  がん死亡の1.6%
男性は がん   0.2%       0.4%と推計されています



喫煙はがんだけでなく、心筋梗塞脳卒中のリスクも高めます




『感染』は意外に大きながんの要因

喫煙と同様に、がんの原因として大きいのが『感染』です
男性では  がん罹患の22.8%  がん死亡の23.2%
女性では       17.5%       19.4%  が、
感染によるものと推計されています
「感染」が、がんの原因として意外に大きいことがわかりますよね



感染のうち、がんリスクを上げる事が確実とされているのが、
『肝炎ウィルス(肝がん)』『ヘリコバクター・ピロリ胃がん)』
『ヒトパピローマウィルス(子宮頸がん)』です


「肝がん」は患者の約8割がC型またはB型の肝炎ウィルスに起因しているとされています
 かつては輸血・血液製剤・注射器の使い回しで感染が広がり、
 「薬害肝炎」が大きな社会問題となりました
 しかし、現在はそれらの感染対策が進んだことで、
 肝がんによる死亡者数は2000年代初頭をピークに減少に転じています


とはいえ、今でも65歳以上では100人に1~2人がC型肝炎ウィルスに、
感染していると推計されています
保健所に行けば無料で検査が受けられる自治体も多いので、
一度感染の有無を確認して、感染していたら、
肝臓の専門医などに相談してみてください
抗ウィルス薬が進歩したおかげで、C型肝炎ウィルスは、
ほとんど駆除できるようになりました



胃がん」もよく知られているように「ヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌)の
 感染によって発症リスクが高くなるのは「確実」とされています
 かつてピロリ菌は、井戸水などを介して感染が広がったと考えられていますが、
 上下水道の整備などによって若い人ほど感染率が下がりました
 しかし、現在でも高齢の方は7~8割が感染していると推計されています


胃がん」について、ピロリ菌感染と胃粘膜萎縮の有無を血液検査で調べる
胃がんリスク検診(ABC検診)』という方法があります
この検診で胃がんリスクが高いと評価された方は、
定期的に「内視鏡胃カメラ)」による検査を受けた方が良いかもしれません




子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウィルス(HPV)は、
 性交渉のある女性なら多くが一度は感染するとされていますが、
 感染しても免疫によって自然に排除され、がんになる人は一部です
 ですが、「低年齢での性交渉がある」「性的パートナーが多い」
 「多産」「HPV以外の性感染症にかんせんしている」「喫煙している」といったことが、
 子宮頸がんのリスク要因になるとされていますので、
 気になる方は産婦人科医に相談してみると良いでしょう




がんの原因3番目「過度の飲酒」

男性では  がん罹患率の9%  がん死亡の8.6%
女性は         2.5%     2.5%  が、
過度の飲酒に起因すると考えられています
1日あたり日本酒1合程度の適度な飲酒は心血管疾患の予防になると考えられていますが、
過度の飲酒は「全がん」「肝がん」「大腸がん」「食道がん」のリスクを、
「確実」とされています




意外と少ない「食事・運動・体型」との関連は?

他の要素についても、がんの原因となっている割合が計算されていますが、
食事(塩分・野菜・果物)、身体活動、体型に起因する割合は、
それほど大きくありません


たとえば、野菜不足が原因とされるがんの割合は、
男性のがん罹患率0.7%  がん死亡の0.7%
女性のがん   0.4        0.4%  と推計されています


運動の場合も、
男性のがん罹患率0.3%  がん死亡の0.2%
女性のがん   0.6%       0.4%  となっています



ですので、がん予防の面だけで見ると、
大量の野菜を食べたり、運動やダイエットを頑張り過ぎる事もないのです
ただし、野菜不足・運動不足・太りすぎは他の病気の原因になります




がんの三大原因を避けるだけで予防効果は大!

がんの原因として大きな割合を占める「喫煙」「感染」「過度の飲酒」を避けるだけで、
かなりのがんを予防できる可能性があるのです。