準決勝進出

世界陸上サニブラウンが準決勝進出 男子100

   
毎日新聞
 
【ロンドン小林悠太】陸上の世界選手権は第1日の4日(日本時間5日未明)、男子100メートル予選が行われ、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)が自己ベストタイの10秒05(向かい風0.6メートル)を出し、2組1着に入って5日の準決勝に進んだ。

 弱冠18歳の日本のエースが、ロンドンの観衆の度肝を抜いた。現地入り後も練習を重ねてきたスタートで、スムーズに加速し、トップに立つ。そのまま、同組の11年世界選手権100メートル優勝のブレーク(ジャマイカ)を寄せ付けない。最後は少し流してトップでフィニッシュした。

 向かい風の中の自己ベストタイで、元王者に先着しても笑顔は一切無し。「自分は自分。自分のレーンに集中したのがよかった」と淡々と話した。

 2冠に輝いた6月の日本選手権直後、拠点のオランダに戻った。7月中旬に国内であったリレーのための合宿へ行きたい気持ちはあったが、往復することで時差や体の調整が難しくなるため、不参加を決めた。オランダでじっくり練習を重ねたことで日本選手権よりもさらに力を付けることができた。

 15年の世界選手権に、男子200メートルの大会史上最年少となる16歳で出場した際は、観衆の多さと独特な雰囲気にのまれた。その後、海外での経験を重ねて、心に余裕ができた。「まずまずだったので切り替えて準決勝に臨みます」。見据える先は日本人初の100メートル決勝進出だけだ。