充電完了

2020年へ福士の旅…充電完了、マラソン女王つかみま~す





 「東京五輪は、はい、目指しまーす!」。リオデジャネイロ五輪ラソン女子日本代表の福士加代子(ワコール)が“再起動”した。充電期間中に結婚し、生涯の伴侶とも結ばれた35歳。事実上の復帰レース後、2020年への新たな歩みを高らかに宣言した。(坂井朝彦)

 19日にヤンマースタジアム長居大阪市東住吉区)で開かれた関西実業団選手権の1万メートル。「練習がてらに出た(久々の)レース」前には親交の深いママさんランナー、41歳の小崎まりノーリツ)と談笑するなどリラックスしていた。

 序盤は最後方にいたが、するすると前へ。チームの後輩で先頭集団を形成する20歳の新鋭、一山(いちやま)麻緒の後ろについた。集団は絞られ、一山や小崎、堀江美里(ノーリツ)と競り合いつつ、グッと先頭に出る場面もあった。

 調整段階の福士は8000メートル付近で一山が「カミソリスタート」(福士)を切ると、振り切られた。それでも、33分9秒26の2位。「ご無沙汰していました。(体は)元気です」と明るく振り返った。

 翌日も同選手権の5000メートルに出場。「疲れてるけど、よくやった。上出来!」と福士。16分0秒61と15分台は逃したが、3位でフィニッシュ。「3位だけど表彰台に乗った。これで打ち上げに行けるよ」と1位の一山と破顔した。

 14位という、悔しい記録が残った昨夏のリオ五輪。充電期間を置きながら、今年2月には永山忠幸監督に「2020年(の東京五輪)を見据えてやる」と打ち明けた。3月には一般男性と結婚し、「もっと強くなるんとちゃいますか?」。この半年は大きな転機になったようだ。

 “復帰レース”を見つめた永山監督は「トラックの女王といわれた選手だから」と手応えを口にした。今でも3000メートル、5000メートルの日本記録保持者。「1カ月もすれば(1万メートルを)31分台で走れる」と信頼を寄せる。

 「ずっと、東京五輪に向けて頑張りまーす」といつもの“名調子”を披露した福士。38歳で迎える3年後の2020年こそ、「マラソンの女王」の称号をつかむ。