福島は、今季初戦だった4月29日の織田記念国際100メートル予選を両足のふくらはぎのけいれんで棄権した。3年連続の棄権で不安視されたものの、続く今月3日の静岡国際200メートルは、同大会で4年ぶりに優勝。23秒91とタイムは平凡だったが、軌道修正できた。「ホッとした。ようやくスタート地点に立てた感じ。ここからまた上げていきたい」と気持ちを高ぶらせた。

 進化を求め「安定」を捨てた。1月下旬に10年在籍した北海道ハイテクACを退部し、プロに転向した。20年東京五輪を視野に入れた時、何が必要か? 大きな変革だった。「責任を持って結果にこだわって、納得できる競技人生を過ごせればいい」と決意を話す。3月下旬に3年ぶりに海外で初戦を迎えたのも、プロになって活動の幅が広がったため。約2週間で3試合に出場し「環境が変わりモチベーションも上がっている」と前向きにとらえる。

 今夏の世界選手権は12年ロンドン五輪と同じ会場で行われ、100、200メートルともに予選落ちした悔しさを晴らす舞台だ。出場には参加標準記録(11秒26)の突破が求められるが「(出場は)最低限だと思っている」と目標はぶれていない。


福島千里(ふくしま・ちさと)1988年(昭63)6月27日、北海道・幕別町生まれ。帯広南商高から北海道ハイテクAC入り。08年北京五輪で日本女子として56年ぶりに100メートルに出場するなど、過去、五輪に3度出場。世界選手権は4度。100メートル(11秒21)、200メートル(22秒88)の日本記録を保持している。166センチ、52キロ。
 
◆日時 21日(日)午前9時開場、10時サブイベント開始、11時55分競技開始
 

 ◆入場料(当日券) AA席(指定席)=5500円。B席(自由席)=一般1000円、小中高校生500円。小学生未満無料。