本日スタート 大阪国際女子マラソン

「後半型」勝負どころ探る 

今大会の注目は「ネガティブスプリット」。日本陸連が打ち出した新たな強化方針で、前半より後半に速いタイムを求め、後半での駆け引きをより重視している。大阪国際が初適用で、代表選考の明暗を分けそうだ。

 ペースメーカーの先導は中間地点までで、前回より2分近く遅い1時間12分0秒~30秒で通過する設定。トップ選手には比較的緩やかなペースで、余裕を持った状態で勝負どころを探る展開が予想される。

 昨年大会で6位だった加藤は、昨年末の山陽女子ロードで後半勝負を意識して走り、伊藤や重友を退けての2位。前回ハイペースで飛ばす福士加代子(ワコール)に食い下がった竹中も女王候補だ。2時間23分台という目標タイムを掲げており、スピード感ある新鋭同士が激しくぶつかり合う。

 新方針を追い風にしたいのが堀江美里(ノーリツ)だ。前回は前後半がほぼ同じタイムで粘り、逆転の2位。少ない落差は「後半にタイムを上げる」(陸連)資質をうかがわせる。

 「ネガティブ」を主導した陸連の山下佐知子・強化コーチは「言葉だけが独り歩きしてほしくない」とし、2時間21分台を出すレベルの選手育成に主眼を置く。もっとも「後半もしっかり走れるようでないと世界で勝負できない」と強調する。選手にとって「新たな挑戦」(重友)であることに変わりはない。