男子400メートルリレーに期待

 メダルへのカギは「切り換え」/リオ五輪

リオデジャネイロ五輪での日本男子短距離陣の戦いが100メートルから始まった。14日の準決勝で、山県亮太セイコーホールディングス)とケンブリッジ飛鳥(ドーム)は敗れ、悲願の決勝進出はならなかったが、山県は10秒05の自己記録をマーク。ケンブリッジは予選よりもタイムを0秒04落としたが、日本勢で100メートル準決勝に複数の選手が進むのは史上初だった。この勢いを19日に決勝を迎える400メートルリレーにつなげ、2008年北京五輪以来のメダル獲得を期す。

 「リオのメンバーは北京に引けを取らない」。こう評価するのは日本陸連の苅部俊二短距離部長だ。メダル獲得には、日本記録の38秒03を上回る37秒台が必要とみられるが、今回のチームは「史上最速」との呼び声も高く、射程圏だ。

 走順は16日からの200メートルを見て正式決定。国内の事前合宿では山県-飯塚翔太(ミズノ)-桐生祥秀東洋大)-ケンブリッジと、山県-飯塚-高瀬慧富士通)-桐生の2パターンで主に練習してきた。

 北京五輪銅メダルメンバーの高平慎士富士通)は「100メートルの代表3人が、気持ちを切り替えて(チーム種目の)リレーを迎えられるかが鍵」と指摘する。200メートルはリレーまで間隔がないが、100メートルからは時間が空くだけに、調整も重要だ。

 100メートルでただ一人、準決勝に進めなかった桐生は「悔しい思いをした分、リレーは思い切り走りたい」と誓う。日本にとってリレーは短距離強化の軸となるだけに、期待は高まる。