リオの反省踏まえ選考明快に

17年世界陸上は日本人1位+派遣記録突破で内定…マラソン



1月の大阪国際女子マラソンを制した福士

日本陸連は24日、都内の理事会で17年ロンドン世界陸上男女マラソン代表選考要項を決めた。リオ五輪の反省を踏まえ、選考3大会での内定基準を新設。日本人1位となり、今年1月1日から最終選考会までに派遣設定記録(男子2時間7分0秒、女子2時間22分30秒)を満たせば代表が決まる。麻場一徳・強化委員長(55)は「記録や順位の条件を満たした段階で、内定という結果を出してあげることも大切」と説明した。

 リオ五輪選考は、大阪国際女子(1月)を2時間22分17秒の好タイムで制した福士加代子(34)=ワコール=が内定を得られず、最終選考会の名古屋ウィメンズに参戦を表明する騒動が起こった。瀬古利彦理事(59)が「リオ決定だべ!にならなかったから、ロンドンは決定だべ!にしたいのでしょう」と補足するように、新要項は“福士問題”の再発防止が念頭にある。内定者が最大の3枠に満たない場合は、従来通り選考で決定。故障に備えて男女1人ずつ補欠を置くことも決まった。

 20年東京五輪も見据えた新要項で、選考の不透明さを解消した。一方で、選考3大会で内定者が3人そろった場合、2位以下は好走しても代表入りのチャンスがない。00年シドニー五輪金メダルの高橋尚子理事(44)も「日本人1位と競り合っていいタイムで走っても、結果が2番だと決まらないということですか?」と指摘。新たな火種になる可能性はある。