陸連タジタジ

理論派の為末氏も完敗 小泉進次郎氏のオーラに陸連タジタジ



 
どちらが主役かわかったもんじゃない。

 23日に行われた、「ダイヤモンドアスリート」の研修会。日本陸連は男子短距離のサニブラウン・ハキーム(16)ら20年東京五輪でメダルが期待される若手13選手を「ダイヤモンドアスリート」と認定。今後は国際社会でも活躍できるよう、語学やメディア対応、メンタルトレーニングをはじめとしたプログラムを施すという。

 しかし、記念すべき初回の主役は選手でもなければ、プログラム監修者で400メートルハードル世界選手権銅メダル2個の為末大氏(37)でもない。衆議院議員小泉進次郎氏(34)だった。

 最初に為末氏がプログラムの目的を話したものの、駆け足の説明に選手は「?」。質問コーナーでは選手は誰も手を挙げず、為末氏が無理やり指名するありさまだった。

 その後、為末氏とのトークセッションに登場したのが進次郎氏。簡潔かつ力強い小泉氏の弁舌で選手を一気に引き込んだ。前段で「世界に視野を広げなくてはいけない」と強調していた為末氏を横にして、「みなさんの目標がメダルなら、それだけを考えればいい」と持論をぶつや、

「いや、メンタルプログラムの……」と慌てて遮る為末氏を制するように、「表彰台の上からの景色を見ることによって、視野が広がるきっかけになると思う」ときた。これにはサニブラウンも講演後、「小泉さんの強いハートはどこから来ているんですか?」と質問するなど、大好評だった。

 感覚派の多いスポーツ選手の中でも、為末氏は屈指の理論派として知られる。それが政治家の引き立て役になってしまい、陸連関係者もため息をつくことしきりだった。